副業では本業以外の時間を利用して働くので、どうしても労働時間が長くなります。そして労働基準法では、原則として1日に8時間、1週間で40時間を超えた労働をさせてはならないと決められています。この法律は、複数の職場で働いた場合にも適用されます。例えば、月曜から金曜まで本業の会社で8時間働き、その後に副業の会社で3時間働いたとします。この場合、1週間の労働時間は本業40時間+副業15時間=55時間となります。15時間の時間外労働が発生しており、その分の残業代が支払われる必要があるのです。

このような場合は、本業では40時間なので時間外労働が発生しませんが、副業で働いた15時間が残業とみなされるのが一般的です。ただし、副業先と36協定を結んでいる場合は、1か月につき45時間、1年につき360時間までの時間外労働が認められています。本業と副業、2つの会社で働く場合は、36協定の有無について確認しましょう。そして、本業・副業、両方の会社にダブルワークであることを伝えて、許可を得ておくことが大切です。そうすることで、残業代を請求できるからです。

会社に内緒で副業をしたい方も多いと思いますが、この場合、会社側は副業を合わせた労働時間が把握できませんから、本業のみの時間外労働に対してしか、残業代は支払われません。副業で複数の企業に雇用される場合の注意点として、労働基準法における時間外労働の規程についても確認しておきましょう。ただし、労働基準法が適用されるのは、雇用されている人だけです。副業がフリーランスの場合は雇用主がいませんから、残業とはみなされません。